教育コラムNO9「総合型地域スポーツクラブNO2」
スポーツは、「競技」・「ふれあい」・「健康」の3つに大別されます。
その振興は行政主導で行われてきました。
いまスポーツ振興は、地域の過疎化、少子化、高齢化、
そして今までと同じ様に、全ての団体に対する行政支援の継続が困難等、
課題が山積しています。
スポーツは、単に競技スポーツの向上だけでなく、
健康増進、心のケア、地域のつながりや連帯の高揚等、
これからの社会づくりにとって、大切な役割を担っています。
そうしたなか、スポーツ振興は、行政主導から住民参加、
そしてパートナーシップ型に推移しています。
そのひとつの方法として、総合型地域スポーツクラブの取組みがあります。
その総合型地域スポーツクラブですが、
新聞報道等によると、思ったより成果が上がっていないとのこと。
その背景について、考察します。
先ず、多くのスポーツクラブは、行政主導で設立されています。
その内容は、殆ど行政担当者が既存のスポーツ関係団体に声をかけて、
新設と言うより、むしろ模様替えのような感じで取組まれています。
すなわち、同じメンバーで、
もうひとつ新たにスポーツ団体(クラブ)を設立する。
結局は、単に同じ様な団体が増えただけの感じです。
何のために、スポーツクラブを推進するのか、_
その意義や目的が、正しく理解されないで、
また理解していても、全く違ったことになっています。
それはどうしてでしょうか。
どこに原因があるのでしょうか。
先ず、総合型地域スポーツクラブは、
総合型、つまり、いくつもに分かれているスポーツ関係団体を、
経営的に、または組織的に統合する必要があります。
経営統合の場合は、
企業で言うホールディングス、持株会社方式です。
この場合は、各スポーツ団体の組織はそのままで、
経営、運営の部分を一本化します。
組織統合の場合は、各スポーツ団体を、
まとめてひとつの団体にする方法です。
しかし、経営統合、組織統合共に、
スムーズには、取組まれていません。
それは行政とスポーツ団体の双方に原因があります。
総合型地域スポーツクラブは、
スポーツ振興の民営化、いや市民化です。
市民は、行政に頼る考え方から、
一人ひとりが地域スポーツの経営者として参画、行動することが求められます。
参画、行動することで、
自分たちがやりたい種目を、やりたい時に、やれる範囲で取組める。
こうしたい、こうなのだ、そんな思いや願いを実現できる機会なのです。
一方行政は、改善すべきことは改善する、
言い難いことや都合の悪いことから目を背けない。
つまり先送りをしないと言うことです。
公の立場として、
誇りと毅然とした態度を示すことが大事です。
参考までに、
全国的にモデルと称される「クラブレッツ・石川県かほく市」の取組みを紹介します。
クラブレッツの成功は、
無理にスポーツ関係団体の経営統合、組織統合には手を出さないで、
ふれあい・健康スポーツ等、これからのスポーツに着目しました。
そのことで、新しい顔ぶれが多く参画しています。
また、ゼロベースのスタートなので、
自由自在に動くことができました。
当初、競技スポーツを中心とした関係団体と調整を図りましたが、
全く前進しませんでした。
その要因には、全く本質とは違ったプライドや自己の立場、
保身的な感覚が壁となりました。
なかなか、打ち破るのは難しいようです。
次に組織運営は、ドーナツ型を用いて、
様々な役割、状況での参加を可能としました。
クラブに多くの時間を費やすことができる人は、
ドーナツの中心に、時々参加の人は円周に。
お互いを尊重し合う、支え合うしくみです。
そして、失敗を怖れずに突き進むことでした。
最後に、何かと足かせになったのは、
残念ながら推進役である行政でした。
行政は、言い難いことや都合の悪いことからは目を背けます。
活動が軌道に乗ってくると、
既存のスポーツ関係団体から妬みや僻みを受けます。
行政は、自分たちとの関係で天秤をかけて、
クラブレッツに圧力をかけて来ます。
クラブ運営は、単にプログラムの質やマネージメント能力があるだけでは難しく、
地域の実情をよく見極め、
自分一人でも、やっていく位の覚悟が必要です。
スポーツクラブだけでなく、
すべての取組みに共通しているように思えます。
以上

