教育コラム

教育コラムNO13「開発教育センター」

開発教育「Development Education」は、
英国で広く取組まれている教育活動です。

英国は、産業革命後、
旧植民地諸国から移民を積極的に受入をしました。

旧植民地諸国の多くは、発展途上国(開発途上国)であり、
特に、バーミンガム、マンチェスター、リーズ、リバプール等の都市では、
人口の約半分程が移民です。

こうした移民との共生を目指す教育活動として、
約40年前から開発教育が取組まれています。

私と開発教育との出会いは、
1989年ロンドン・リージェントカレッジ「CWDE(世界開発教育センター)」の訪問です。

CWDEブンチ研究員の説明では、

1)英国はナショナルカリキュラム(指導要領的なもの)はなくて、教育内容は、すべて現場に委ねられている。(現在あり)

2)教員、保護者、地域社会が、自分たちの町に必要な教育を、自分たちで決めて、自分たちの手と力で実践する。

3)英国内には、開発教育センター及び、関係研究機関が60カ所以上ある。

4)開発教育センターは、地域教育の中心的な役割を担っている。

5)開発教育センターは、主にNGO、大学が運営している。

6)また、機能は主に3つ。

一つは、
教員と開発教育センターとの恊働によるプログラム・教材開発です。

これは、単なるプログラム・教材開発ではありません。
プロセスを通じての人材育成です。

先ず、テーマ及び、目標とねらいの設定をします。
そこに専門性を高めるために、大学教員や研究者、NGOスタッフ等が参加します。

また興味や関心を示す企業や助成財団等が、
支援者として参加します。

こうした一連のプロデュースを担うのが、
開発教育センターの大きな役割のひとつです。

その後、学習方法の選択、アイデアの出し合い、
指導案の整理と進み、指導案は参加教員が自身の学校に持ち帰り、
同勤の教員とともに様々な場面で試します。

数ページの教材では1ヶ月後、
書籍レベルになると3ヶ月から4ヶ月後に集まります。

開発教育センタースタッフは、
現場の要望に応じて学校訪問を行いサポートします。

そして、開発教育センターにより、
デザイン、製本、出版されます。

このシステムの素晴らしいところは、
いろいろな人たちの参加と協力で取組まれることです。

参加、協力するプロセスにおいて、
テーマへの理解と認識が深まると同時に、学習方法をマスターして行きます。

結果、参加者は満足感が得られる、
参加者間のつながりが深まる等、数多くの産物が生み出されます。

開発教育センター機能の二つ目は、
資料・教材センター運営です。

全国の開発教育センターで開発されたプログラム・教材が販売されています。
収益はすべて次のプログラム・教材開発に用いられます。

制作した人、販売した人、買った人、そして学ぶ人、、、、、。
全ての人に再還元されるしくみになっています。

三つ目の機能は、
調査・研究、そして啓発活動です。

また、大学運営の開発教育センターでは、
学生を対象とした授業の実施、学生の研究活動への支援等を行います。

こうした開発教育センターは、住民の国際協力への参加、
地域における共生社会の促進等、「地球規模で考え、行動する」人材育成に貢献しています。

随分と前の話になりますが、1991年大和日英基金の支援で、
約40の開発教育センター及び、関係機関を訪問調査しました。
今でもこれが私の原動力です。

その後、バーミンガム開発教育センターからスコット所長を招聘して、
山形、仙台、東京、大阪、兵庫、松山、長崎の全国7カ所でセミナーを開催しました。

開発教育センターの取組みの柱にある、
自分たちに必要な教育を、自分たちで考え、自分たちの手と力で実現して行く。

この哲学と実践は、
今の、これからの日本の教育に、一番必要なことでないかと強く思います。

以上

研究領域・実践活動から、「研究活動」・「教育実践」、「企業CSR」、「公共経営」など、様々なテーマについて提言します。

ブログ形式の活動日誌です。 日常の活動報告をはじめ、感想などを紹介しています。

藤井誠が取組む、主な教育プロデュース活動のリンクです。

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